将棋を題材にした漫画


将棋がテーマになっている漫画作品リスト

将棋に興味を持つきっかけは様々ですが、偶然読んだ漫画で将棋を指してみたくなることもあれば、漫画を読んで将棋が上達するためのヒントやモチベーションを得ることもあります。

最初は何となく読み飛ばした棋譜の部分も、将棋を覚えてから後で読み返すとわかるようになっていて新しい発見ができるという楽しさもあるかもしれません。

題材として将棋を扱った漫画はたくさんあるものの、残念ながら一部の作品を除いてあまり話題にならないことが多いため、探しやすいように単行本が発売されているものを集めてリストにしてみました。

プロ棋士が監修についていることが多く、将棋部分を見ても参考になる作品が多数あります。

出版されたのが古く書籍としてはなかなか手に入らない作品もありますが、近年ではほとんどが電子書籍化され、簡単に試し読みすることもできるようになっていますので、ぜひお気に入りの一冊を見つけてみてはいかがでしょうか。

なるべく出版された全ての作品を網羅したいと思って調べましたが、もしここにない将棋漫画がありましたら教えていただけると助かります。

表紙の画像をクリックすると試し読みができるサイトへ移動しますので、読んでみて続きが気になった漫画はそのまま購入してすぐにブラウザ上で続きを読むこともできます。なお、一部の作品は楽天ブックスへのリンクになっています。

※下記のリスト中、敬称、段位等については省略させていただいています。監修については確認できた範囲で記載しています。

タイトル作画・原作監修掲載誌連載時期

目の前の神様
久野田ショウ渡辺和史少年ジャンプ+2023~

バンオウ-盤王-
春夏冬画楽・綿引智也梶浦宏孝少年ジャンプ+2022~
こんなレベルの低い将棋見たことがない!
こんなレベルの低い将棋見たことがない!
安藤たかゆきマトグロッソ2018~2018
将棋少年
将棋少年
おおきぼん太飯塚祐紀ソノラマプラス2018~
花四段といっしょ
花四段といっしょ
増村 十七ソノラマプラス2021~

龍と苺
柳本光晴非公開週刊少年サンデー2020~
山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々
山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々
さくらはな。山口恵梨子本当にあった愉快な話2019~

ふたりの太星
福田健太郎里見咲紀週刊少年ジャンプ2019~2019

龍と極北
矢倉千圓村中秀史サイコミ2019~2019

永世乙女の戦い方
くずしろ香川愛生ビッグコミックスペリオール2019~

それでも歩は寄せてくる
山本崇一朗北尾まどか週刊少年マガジン 2019~

リボーンの棋士
鍋倉夫 鈴木肇ビッグコミックスピリッツ2018~2020

将棋指す獣
市丸いろは・左藤真通瀬川晶司月刊コミックバンチ2018~2020

この恋はツミなのか!?
鳥島灰人ビッグコミックスペリオール2018~2018

紅葉の棋節
里庄真芳三枚堂達也週刊少年ジャンプ2018~2018

ひらけ駒!return
南Q太BABY!→ベビモフ2017~2019

将棋めし
松本渚広瀬章人、上村亘、石井健太郎コミックフラッパー2016~2020

永遠の一手―2030年、コンピューター将棋に挑む―
松島幸太朗・伊藤智義週刊少年チャンピオン2016~2016

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代
西川秀明・羽海野チカヤングアニマル 2015~2020

或るアホウの一生
トウテムポール橋本崇載ヒバナ→マンガワン2015~2019

りゅうおうのおしごと!
こげたおこげ・白鳥士郎西遊棋ヤングガンガン2015~2019

紅井さんは今日も詰んでる。
尾高純一ヤングガンガン2015~2017

ものの歩
池沢春人橋本崇載週刊少年ジャンプ2015~2016

盤上の詰みと罰
松本渚戸辺誠コミックハイ!2014~2015

ナイトぼっち
枩岡啓資別冊少年マガジン2014~2015

PRICE 女流棋士飛翔伝
前鳥八代・maa坊広瀬章人近代漫画2014~2015

駒ひびき
水鳥なや・むらさきゆきや・さがら総高橋道雄月刊ドラゴンエイジ2014~2015

将棋の渡辺くん
伊奈めぐみ渡辺明別冊少年マガジン2013~

ナリキン!
鈴木大四郎野月浩貴月刊少年チャンピオン2012~2014

ひらけ駒!
南Q太天野貴元モーニング2011~2012

JOKER
上杉可南子斎田晴子JOURすてきな主婦たち2011~2012

BLOOD~真剣師将人~
落合祐介ヤングキング2011~2012

王狩
青木幸子飯島栄治イブニング2010~2011
風の棋士ショウ
風の棋士ショウ
武村勇治森内俊之小学五年生・小学六年生2008~2009
うちゅうの王
うちゅうの王
佐々木健森内俊之小学五年生2007~2008

3月のライオン
羽海野チカ先崎学ヤングアニマル2007~

ハチワンダイバー
柴田ヨクサル鈴木大介週刊ヤングジャンプ2006~2014
コマコマ
コマコマ
米林昇輝こども将棋教室 棋友館週刊少年マガジン2005~2006

しおんの王
安藤慈朗・かとりまさる林葉直子月刊アフタヌーン2004~2008

将棋の子
菊地昭夫・大崎善生ヤングチャンピオン2003~2004
マサルの一手!
マサルの一手!
村川和宏森内俊之小学五年生2002~2006

365歩のユウキ
西条真二田中寅彦週間少年サンデー2002~2002

聖 -天才・羽生が恐れた男-
山本おさむ森信雄ビッグコミック1999~2002

歩武の駒
村川和宏深浦康市週刊少年サンデー1999~2000
アップセットボーイズ
アップセットボーイズ
柳葉あきら週刊将棋1997~2000

投了すっか!~将棋奨励会物語~
神田たけ志先崎学週刊漫画サンデー1996~1997

月下の棋士
能條純一河口俊彦ビッグコミックスピリッツ1993~2001

ヤンケの香介
村祭まこと週刊将棋1989~1995

燃えろ!一歩
堂上まさ志週刊少年チャンピオン1982~1983

5五の龍
つのだじろう多数週刊少年キング1978~1980

駒が舞う
大島やすいち週刊少年サンデー1972~1973

あばれ王将
貝塚ひろし週刊少年サンデー1966~1967
タイトル1.作画・原作
2.監修
3.掲載誌
4.連載時期

目の前の神様
1.久野田ショウ
2.渡辺和史
3.少年ジャンプ+
4.2023~

バンオウ-盤王-
1.春夏冬画楽・綿引智也
2.梶浦宏孝
3.少年ジャンプ+
4.2022~
こんなレベルの低い将棋見たことがない!
こんなレベルの低い将棋見たことがない!
1.安藤たかゆき
2.
3.マトグロッソ
4.2018~2018
将棋少年
将棋少年
1.おおきぼん太
2.飯塚祐紀
3.ソノラマプラス
4.2018~
花四段といっしょ
花四段といっしょ
1.増村 十七
2.
3.ソノラマプラス
4.2021~

龍と苺
1.柳本光晴
2.非公開
3.週刊少年サンデー
4.2020~
山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々
山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々
1.さくらはな。
2.山口恵梨子
3.本当にあった愉快な話
4.2019~

ふたりの太星
1.福田健太郎
2.里見咲紀
3.週刊少年ジャンプ
4.2019~2019

龍と極北
1.矢倉千圓
2.村中秀史
3.サイコミ
4.2019~2019

永世乙女の戦い方
1.くずしろ
2.香川愛生
3.ビッグコミックスペリオール
4.2019~

それでも歩は寄せてくる
1.山本崇一朗
2.北尾まどか
3.週刊少年マガジン
4.2019~

リボーンの棋士
1.鍋倉夫
2.鈴木肇
3.ビッグコミックスピリッツ
4.2018~2020

将棋指す獣
1.市丸いろは・左藤真通
2.瀬川晶司
3.月刊コミックバンチ
4.2018~2020

この恋はツミなのか!?
1.鳥島灰人
2.
3.ビッグコミックスペリオール
4.2018~2018

紅葉の棋節
1.里庄真芳
2.三枚堂達也
3.週刊少年ジャンプ
4.2018~2018

ひらけ駒!return
1.南Q太
2.
3.BABY!→ベビモフ
4.2017~2019

将棋めし
1.松本渚
2.広瀬章人、上村亘、石井健太郎
3.コミックフラッパー
4.2016~2020

永遠の一手―2030年、コンピューター将棋に挑む―
1.松島幸太朗・伊藤智義
2.
3.週刊少年チャンピオン
4.2016~2016

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代
1.西川秀明・羽海野チカ
2.
3.ヤングアニマル
4.2015~2020

或るアホウの一生
1.トウテムポール
2.橋本崇載
3.ヒバナ→マンガワン
4.2015~2019

りゅうおうのおしごと!
1.こげたおこげ・白鳥士郎
2.西遊棋
3.ヤングガンガン
4.2015~2019

紅井さんは今日も詰んでる。
1.尾高純一
2.
3.ヤングガンガン
4.2015~2017

ものの歩
1.池沢春人
2.橋本崇載
3.週刊少年ジャンプ
4.2015~2016

盤上の詰みと罰
1.松本渚
2.戸辺誠
3.コミックハイ!
4.2014~2015

ナイトぼっち
1.枩岡啓資
2.
3.別冊少年マガジン
4.2014~2015

PRICE 女流棋士飛翔伝
1.前鳥八代・maa坊
2.広瀬章人
3.近代漫画
4.2014~2015

駒ひびき
1.水鳥なや・むらさきゆきや・さがら総
2.高橋道雄
3.月刊ドラゴンエイジ
4.2014~2015

将棋の渡辺くん
1.伊奈めぐみ
2.渡辺明
3.別冊少年マガジン
4.2013~

ナリキン!
1.鈴木大四郎
2.野月浩貴
3.月刊少年チャンピオン
4.2012~2014

ひらけ駒!
1.南Q太
2.天野貴元
3.モーニング
4.2011~2012

JOKER
1.上杉可南子
2.斎田晴子
3.JOURすてきな主婦たち
4.2011~2012

BLOOD~真剣師将人~
1.落合祐介
2.
3.ヤングキング
4.2011~2012

王狩
1.青木幸子
2.飯島栄治
3.イブニング
4.2010~2011
風の棋士ショウ
風の棋士ショウ
1.武村勇治
2.森内俊之
3.小学五年生・小学六年生
4.2008~2009
うちゅうの王
うちゅうの王
1.佐々木健
2.森内俊之
3.小学五年生
4.2007~2008

3月のライオン
1.羽海野チカ
2.先崎学
3.ヤングアニマル
4.2007~

ハチワンダイバー
1.柴田ヨクサル
2.鈴木大介
3.週刊ヤングジャンプ
4.2006~2014
コマコマ
コマコマ
1.米林昇輝
2.こども将棋教室 棋友館
3.週刊少年マガジン
4.2005~2006

しおんの王
1.安藤慈朗・かとりまさる
2.林葉直子
3.月刊アフタヌーン
4.2004~2008

将棋の子
1.菊地昭夫・大崎善生
2.
3.ヤングチャンピオン
4.2003~2004
マサルの一手!
マサルの一手!
1.村川和宏
2.森内俊之
3.小学五年生
4.2002~2006

365歩のユウキ
1.西条真二
2.田中寅彦
3.週間少年サンデー
4.2002~2002

聖 -天才・羽生が恐れた男-
1.山本おさむ
2.森信雄
3.ビッグコミック
4.1999~2002

歩武の駒
1.村川和宏
2.深浦康市
3.週刊少年サンデー
4.1999~2000
アップセットボーイズ
アップセットボーイズ
1.柳葉あきら
2.
3.週刊将棋
4.1997~2000

投了すっか!~将棋奨励会物語~
1.神田たけ志
2.先崎学
3.週刊漫画サンデー
4.1996~1997

月下の棋士
1.能條純一
2.河口俊彦
3.ビッグコミックスピリッツ
4.1993~2001

ヤンケの香介
1.村祭まこと
2.
3.週刊将棋
4.1989~1995

燃えろ!一歩
1.堂上まさ志
2.
3.週刊少年チャンピオン
4.1982~1983

5五の龍
1.つのだじろう
2.多数
3.週刊少年キング
4.1978~1980

駒が舞う
1.大島やすいち
2.
3.週刊少年サンデー
4.1972~1973

あばれ王将
1.貝塚ひろし
2.
3.週刊少年サンデー
4.1966~1967

おすすめの作品

バンオウ-盤王-は2022に少年ジャンプ+で連載が開始された作品です。

長い時を将棋とともにひっそりと生きてきた吸血鬼がある事情から表舞台で竜王戦を目指し、現代の棋士との戦いを繰り広げることに…というあらすじです。

吸血鬼の力を使って無双するというよりはむしろ力を抑えるための制約として働いており、様々な出会いに対して様々な葛藤を生み出します

主人公が吸血鬼ということで異色の将棋漫画に見えるかもしれませんが、将棋をめぐる登場人物の内面や人間関係も豊かに描かれています。

現代の将棋はAIと切っても切れない関係にありますが、作中にAIによる評価や実況が当然に存在するという世界観も自然で、吸血鬼が存在するというファンタジー要素を備えながらも現代の将棋のリアルに近い感覚で楽しめるのではないかと思います。

現時点(2023年11月)で連載中で、個人的にではありますがおそらく将棋漫画の代表格になるだろうなと感じている、注目の作品です。


3月のライオンは個人的に一番おすすめの将棋漫画と言われたら挙げたい作品です。

全体的に漂うほのぼのとした優しい雰囲気の中にも主人公と周囲の人々が直面する生きる苦しみや悩み、それを乗り越えて成長していく姿が温かみのある画風で鮮やかに描かれています。アニメ化、実写映画化もされていますのでご存じの方も多いとは思いますが、読んでいない方にはぜひ読んでいただきたい作品です。

将棋漫画、とは言うものの「将棋が好きな人のための漫画」という枠には収まらない、本当に素敵な漫画です。漫画が読める年齢のお子様には自信を持っておすすめしたいです。


月下の棋士はドラマ化もされていますが、このサイトの本旨である子供向けの漫画かと言われると微妙で多少刺激的な描写が多めです。

ただ、プロの世界に生きる棋士たちがそれぞれまさに命を燃やして戦う様が狂気と紙一重の表現で生々しく濃厚に描かれており、作中の棋譜も含めて読む人をぐいぐいと惹きつける力を持った作品だとおもいますので、中学生くらい以上の方には強くおすすめしたいです。

読み終わるころには将棋が指したくて仕方なくなっていると思います。


5五の龍は1970年代に発表されており、表現的にもかなり時代を感じさせる部分はありますが、多くのプロ棋士が関わっておりかつ連載当時作者のつのだじろう先生がアマ三段だったということもあって将棋の戦法面においてかなり練られた作品です。

電子書籍で読むことができなければもうなかなか目にする機会がない作品かもしれませんが、将棋が好きなら絶対に損はないと思いますので騙されたと思って読んでみていただきたいと思います。

余談ですが、虹色四間という単行本化されていないスピンオフ作品があります。


永遠の一手はコンピュータ将棋と人間の関係がテーマになっている作品です。

今でこそ「AIが人間を超える」という話も当たり前のように受け入れられがちですが、2010年前後にコンピュータ対プロ棋士の対局が盛り上がっていた頃(2007年のBonanza対渡辺明竜王戦、2010年の清水市代女流王将対あから2010戦、2012年のボンクラーズ対米長邦雄永世棋聖戦から始まる電王戦など)は、「まだしばらくコンピュータトップ棋士を超えることは難しいだろう」という考え方もある種の期待をもって支持されていました。

そういった流れを受け、コンピュータ将棋が名人より強くなったら将棋はどうなるのだろう・・・という問題に挑んだ作品で、ここで4番目に挙げはしましたが個人的にはちょうど将棋の遊び部屋を作ってあれこれ修正している時期に連載されたということもあってコンピュータ(AI)と人間の関係について深く考えさせられた、かなり思い入れのある作品です。

なお現実の世界で将棋ソフトのプロ棋士が対局する場として生まれた電王戦はソフトと棋士のタッグマッチなど様々な試みを経て2017年にはPonanzaが佐藤天彦名人を破り、現在の人間同士の棋戦の一つである叡王戦のもとになりました。

藤井二冠(2020年11月現在)をはじめ、AIを活用して将棋の勉強をしているという棋士も多く、棋戦の解説にもAIの評価値が積極的に用いられるようになるなど、AIと将棋は切り離せない関係になっていますが、AIが普及する以前にはなかった新しい問題も生まれています。本作を読むことでAIと将棋の今の関係を新しい視点で見ることができるようになるかもしれません。


もちろんここで挙げた作品以外にもおすすめしたいものはありますが「全部おすすめです!」と言ったところで説得力がなくなってしまいますので、もし興味があればほかの作品も試し読みしていただき、お気に入りの漫画を見つけてみてください。